【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「だーかーら。
俺らにとって血は生きる為に絶対必要なわけ。
最低限の血を飲まないと体が動かないの」
うん、と頷くあたしに
「とりあえずの血は適当な相手から貰ってんだよ」
椎名冬夜は続ける。
「けど。
それは若いうちだけ。
この先、生き続ける為には、それなりの相手がいる。
で、それがお前」
そう、あたしを真っ直ぐに指差した。
「で、でも色んな人の血を飲み続ければいいんじゃないの?」
そうすれば、別にあたしの血を飲まなくても。
「本当、理解能力ねぇなぁ」
「なによぅ」
バカにされて、少し膨れてしまう。
「俺らは、決まった相手の血じゃなきゃ生き続けれないって言わなかったっけ?」
あー、なんか言ってたような気も……する。
「何回も言うけど、他の奴の血はその場しのぎなだけ。
そん時は体力も回復するけど、持続力はないの」
「へぇー」
「それに歳を重ねるごとに、その一時的な回復も短くなってきてんだよ」
「そなんだー」