【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「って、お前……」
「ん? なに?」
「すげー他人事みたいに言ってるけど。
俺には、お前の血がカナリ必要なんですけど」
ああ、そっか。
普通、男の子に
“俺には、お前(の血)がカナリ必要”
なんて言われたら、ときめいちゃうところなんだろうけど。
“血”って言葉が足されるだけで、全くときめきもしない。
「だから早く、お前の血飲ませろって」
「……それって一回飲ませたら終わりなの?」
「んなわけねーだろ」
「は?」
「てか、飲ませてくれる気になったわけ?」
「いやいや、違うから。
それより今のどういう意味!?」
「あ、やっべ。
まだ言うなって言われてたんだっけ」
ボソッと言った言葉を聞き逃さなかったわよ!