【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「すごかったね、なんか」
「うん」
結局ミニゲームが終わるまで、その歓声は続きっぱなしだった。
椎名冬夜がコートから出ると、
「椎名が居れば、余裕勝ちじゃね?」
なんて声があちらこちらから聞こえる。
あたしもそう思ったけど。
なーんかアイツが認められてるのは気にいらない。
そんな時だった。
皆の輪からそっと抜け出す椎名冬夜の後姿が目に入った。
あ、れ?
なんか……顔色、悪くない?
一瞬見えた椎名冬夜の顔色が気になって
「京香、ちょっと抜けるー」
そう言うと、あたしは椎名冬夜の後を追った。