【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
外に出ると、体育館に居たような蒸し暑さはなかった。
べとつく肌に、生温かくても吹く風があるだけマシだと思えるくらい。
だたジリジリと照らす太陽は、さすがに鬱陶しいと思っちゃうけど。
ちょうど日陰になるベンチに椎名冬夜の姿が見えた。
「……大丈夫?」
そばにより、屈み込んで、そう聞く。
顔にタオルをかけて、横になっている椎名冬夜。
「……」
「ねぇ、大丈夫?」
「……」
心配して聞いてるのに、返事は返ってこない。
「ねぇ!?」
「……」
は。
無視?
それとも、寝ちゃったとか?
こんな短時間で、そんなわけないか。