【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「仁奈、何ボケーッとしてんのよ!」
首にかけたタオルを、ぐいっと引っ張られ
「うぉえっ」
と変な声が出たのも無視して引っ張り続ける京香。
「ちょ、京香痛いってばー」
「あー、ごめんごめん」
まるで気持ちのこもってない謝り方。
ちょっと、さすがに酷くないかい?
応援しないでボーッとしてたのは悪いけどさー。
「ちゃんと試合みてる!? うちのクラスやばいよ!」
「へ?」
京香の言葉に、得点ボードをみると。
ついさっきまで大幅にリードされていたのにもかかわらず、いつの間にか相手チームに抜かれている。
「あ、れ? なんで?」