【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
ムカツク転校生
「モテてるねー」
「だねぇ」
お昼休み。
教室には、あたしの席が見えなくなるくらいの女の子の数。
休み時間毎に、椎名冬夜を見る為にうちのクラスを訪れる女子は、どんどん増えて。
お昼休みには、2・3年の先輩までもが教室に居る。
それを遠くから眺める京香とあたし。
自分の席なはずなのに休み時間が来る度に、京香のところへ非難を繰り返していた。
あの輪に入るなんて絶対無理。
ギャル集団、学年でも人気のあるモテる子達、それにプラスしてお喋りな女の子達。
さすがの京香でも入らずに見てるだけだもん。
ただ、そんな女の子に囲まれているのに椎名君は、全く動じず冷たいまま。
やっぱり前の学校でもモテてたんだろなぁ。
だから、あんなに冷静でいられるんだよね。
凄いなぁー……。