【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
すぐに見付かると思った椎名冬夜は、どこにも居なかった。
昨日居たベンチのところは1番に行ってみた。
教室も、保健室も、どこにも居ない。
あとは外に出たか……屋上?
こんな暑い日に屋上になんて行く? なんて思いながらも階段をあがる。
屋上のドアを開いて、思わず溜息が零れた。
太陽が近い、近すぎる。
こんな中にいるわけないか。
そう思って、ドアを閉めて廊下に出た時、目の前にある荷物の奥に足が見えた。
もしかして?
荷物の隙間を覗くと、そこに居たのは椎名冬夜だった。