【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「そ、それよりも大丈夫なの?」
「あー……、ん」
「昨日より体調悪そうなんだけど」
「んー……」
「保健室、……は無理か」
「……俺の事わかってきた?」
「……一応はね」
本当に体調が悪いなら保健室へ行けば良いんだろうけど。
必要なのは薬でもなく、睡眠でもない。
血
なんでしょう?
なら保健室へ行っても無駄なだけ。
なんとなく理解出来るようになった。
「どうする? このままココにいる?」
「……ん」
ゆっくりな返事に、あたしもそこへ腰をおろした。
どこへも連れて行けないなら、そばで様子を見ていよう。そう思っただけ。
言い訳ぽいけど、今のあたしには椎名冬夜のそばに居る理由が必要だった。