【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「そんなに体調良くないの?」
そう少し近付いてみた。
「あー……、あんまこっち来んな」
「え?」
さっき襲う力はないって言ってたじゃん!?
そう思いながら、あたしは後退りした。
「ちげーよ。
お前からいい匂いするから来るなって言ってんの」
「いい匂い!?」
一気に顔が赤くなるのがわかった。
「あ。
血の匂いだから」
あ。
そぅ。
そっちの匂い、ね。
何勘違いしてんの? ってでも言いたげなバカにした笑みがムカツク。
あたし、男慣れとかしてるわけじゃないし。
そんな言葉言われたら、ちょーっとドキッとしちゃうもん。
てか主語が少ないのよ、主語が!