【完】愛の血−超勝手な吸血鬼

「フッ……、すげぇ気持ちよくさしてやるよ」


な、な、ななななな!!!

顔から火が出そうになった。

何言っちゃってんの、この男!!!


顔をあげて言い返そうとしたとき……


椎名冬夜の手が頭の後ろに回って。

あたしの髪と髪の間に、そっと指を通す。

もう片方の手は肩を掴み。

あたしをそっと引き寄せる。


その瞬間、首筋に温かい息とチクッとした小さな痛み。


そして、体のそこからフワッと浮き上がるような感覚。



それは、フカフカのベットで眠る瞬間のような感覚に似ていた。


甘い甘い香りが漏れ、スーッと力が抜けいく。



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