【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
好き?
「はぁ~」
鏡の前で髪を梳かしながら、深い深い溜息を吐いた。
椎名冬夜に血をあげてから数日。
あの時ついた2つの痕は、まだ薄っすらと首筋に残っている。
毎朝それを見る度に、どうして血をあげちゃったのかなって考えちゃって。
あの時は仕方なかったんだけど。
やたらと弱ってたし。
あんなとこで夜まで居るとか言うし。
本当、軽い気持ちであげたんだけど……。
でも、それって本当に良かったのかなぁ、って。
それに、
『俺、本気でお前もらうから』
あの時、そんなこと言うから!!
なんか変に意識しちゃうし……。