【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「なんで避けんの?」
あたしに少し近付いた椎名冬夜は、低いハスキーな声で囁いた。
ドキドキと煩い心臓は、走ってまだ息切れしてるから……だよね?
「避けてないよ!」
「あー……お前」
間をもたせた言い方に、顔をあげると口角をクィッとあげた椎名冬夜はハッキリと。
しかも、なーんか嬉しそうな顔して。
「お前、俺のこと好きになったんだろ?」
って……。
はあああああああ!?
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