【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
真っ直ぐにあたしの方へと歩いてくる椎名冬夜の姿が横目に入った。
ちょ、来ないでよ!?
やだやだ……どうしよう。
その時だった。
運良く鳴ったチャイムに救われた。
ホッと胸を撫で下ろし、自分の席に向かうも……隣同士なんだよねぇ。
「おい、お前……」
そう声をかけてきたとき、教室の前のドアが開いて担任が入ってくる。
これまた救われた!
はぁーっと全身の力が抜けた瞬間、クラスの男子のワァーって大きな声に驚いた。
え!?
なに!?
周りを見回すと、拍手してる男子も居て。
一体なに!?
「お前等、静かにせんか!」
担任の怒鳴る声に、ようやく意味を理解した。