【完】愛の血−超勝手な吸血鬼


担任の隣には、艶のあるサラサラの長い黒髪が栄えるくらいに色白な女の子が立っていて。

切れ長の大きな二重の目に、恥ずかしいのか薄いピンクに染まった頬。

薄い唇はほんのり赤くて。


美少女!!


そんな言葉がピッタリな子だった。



「羽田 繭(ハネダ マユ)です。
よろしくお願いします」



綺麗な声に、男子からも『よろしくー!』なんて嬉しそうな声が出る。


いや、でもコレはわかる。

大人っぽくて、綺麗で、だけど少し恥ずかしがっていて。

これぞ、まさに女の子! って感じの子だもんね。


あたしも一瞬ドキッとしちゃったしね。


隣に目を向けると、冷たい目でその女の子を見つめる椎名冬夜が居て。

なんとなくホッとしてしまった、あたしが居た。


な、何ホッととかしてんの、あたし!?

え? ホッとなんかしてないしっ!


自分自身で突っ込みながら、胸が急にドキドキして、意味わかんないっ!





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