【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「あ! 羽田さんだ!」
廊下を歩くあたし達にも聞こえた声に目を向けた。
そこには2年の男子が居て。
「羽田さーん」
とニッコリと笑って手を振っている。
でも、繭ちゃんは隠れるようにあたしの背中に回り、涙目になって顔をフルフルと横へ振った。
こうして声をかけてくる男子は多い。
だけど、その度に繭ちゃんは怯えてる。
繭ちゃんは男の子が恐いらしい。
それも、また可愛いんだろうなぁ。
守ってあげたくなる子、うん、そんな感じだよね。