【完】愛の血−超勝手な吸血鬼


はぁ、っと小さな溜息を交えて



「消しゴム。
お前のだろ?」



そう言われて、何だか哀しい気持ちになって頷いた。



「はい」



っと、あたしの机の端に置かれた消しゴムを見つめながら、



「……ありがと」



って小さな小さな声で呟いた。

その声が椎名冬夜に届いたのかはわかんない。


けど、これが精一杯で。


何なの、この気持ち。

あたし絶対、変だよ。



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