【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「……羽田繭とは、あんま仲良くすんなよ」
「はぁ?」
何言ってるの?
何が言いたいの?
「何であんたに言われなきゃ駄目なの?」
「なんでって……」
あたしから目を逸らし、地面を見つめて言いにくそうな椎名冬夜を見てピンときた。
「あー、わかった。
繭ちゃん綺麗だから手出そうと思ってんでしょう?」
ズキンッ……。
「そうだよね。
いつも、あたしと一緒にいるから声かけずらいよね」
ズキンッ……。
ズキンッ……。
「ふーん。
椎名冬夜は、いつも、ああいうタイプが好みなんだ」
ズキンッ……。
ズキンッ……。
ズキンッ……。
自分で言ってる言葉で胸が痛い。