【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「お前、なに言ってんの?
んな話してねぇよ」
「じゃあ……何?」
「それは……その……」
言葉を濁した椎名冬夜の態度とか、仕草に、あたしの胸の痛みは酷くなる。
なんか泣きそうになる。
「ほーら、やっぱり。
でも残念でした。
繭ちゃんは男の子苦手なんだって」
「は?」
「だからムリだよ」
血を飲むとか……ムリだよ。
「だからっ、そんなんじゃねーって!」
「じゃあ何!?」
お互いに大きな声を出し、多分おなじタイミングで冷静になったんだと思う。
椎名冬夜も、あたしから目を逸らし。
あたしも椎名冬夜から目を逸らした。