【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「仁奈、当分は一緒に行動しよ?
こんな事で、何かあるとは思わないけどさ。
でも一応の為に、ね?」
「あ……うん。
ありがと」
「大丈夫!」
そうニカッと笑ってくれた京香の笑顔に少しだけ心が軽くなる。
けど、やっぱり心は重いままで。
「誰がこんなこと……。
あたし恨まれるような事したかなぁ」
考えても思い当たることがない。
思い当たることがないだけで、実は何かしてたとか?
なら、こんなマネしないで直接言ってくれればいいのに。
「あー…あとさ。
関係ないのかもしんないんだけど」
「……?」
「なんでか、これに羽田さんの話もついてくるんだよね」
「え? どういう意味?」
あくまでも噂だよ! と強く付け足した京香が話してくれる。