【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
続く不安
「ごめんね、京香。
新見さんもありがとうございます」
あの後も男子の目は気になったけど、京香がそばに居てくれたお陰で何かされる事はなかった。
それに帰りも、彼氏の新見さんと一緒に家の前まで送ってもらって。
「いいってば、気にしないの!」
「そうだよ。
気にしないでね、仁奈ちゃん」
そんな事を言ってくれる2人に何だか申し訳なくて。
せっかくの2人の時間なのに。
「ほら、そんな顔しないの!
新見なんて、私と居れる時間長くて喜んでるんだから」
「はぁ?
それはお前だろ?」
「あ、そっ?
なら、この後まっすぐ家に帰ろっと」
「え? ちょっ」
「嘘だよ、嘘。
ちょっと黙っててよね」
「ぬ……」
ニヤリと笑った京香は新見さんよりも2つ下だとは思えないくらいに強い。