【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「あ、あれ?」
京香の声に、目を向けると
「椎名君!?」
不機嫌そうな椎名冬夜がそこに居た。
「なんで?
椎名君がここに居るの?」
京香が椎名冬夜にそう聞きながら、あたしを見る。
「あー……同じマンションなんだ」
「え? そなの?」
「うん」
あたしと椎名冬夜を交互に見る京香に椎名冬夜も頷いた。
「そなんだー、知らなかったぁ。
あ、椎名君!」
「ん?」
「もし変なのが来たら、仁奈助けてやってね!」
「は? 変なの?」
「ちょ、京香!」
京香の発言に、あたしは驚いて大きな声を出した。
京香は、ふふふ。なんて意味深に笑いながら
「よろしくー!」
って新見君と帰って行った。