【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「な、何にもないよっ」
「はぁ?
何もないのに友達がお前を助けろって言うわけ?」
「あー……、京香はバカだから!
気にすることないよっ」
なんて苦しい言い訳。
だけど、知って欲しくない。
椎名冬夜だけには知られたくない。
何でこんな事を思うのかなんて、よくわかんないけど。
どうしても知られたくない、そう思ったんだ。
「じゃ、じゃね」
椎名冬夜から目を逸らすと、マンションの中へ逃げるように入った時だった。