【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「仁奈ちゃん、冬夜と仲良くしてやってね」
ニッコリ微笑んだ椎名冬夜のお母さん。
俯いていたあたしは、ゆっくりと視線をあげ
「……で…ん」
「へ?」
「出来ません!」
ハッキリと大きな声で、椎名冬夜を睨みながら言った。
「仲良くなんて出来ません!」
「はぁ? お前、それ。俺に言ってんの?」
口角をクィッとあげ、笑ってない目で見つめられる。
一瞬、その顔に腰が引けながらも。
大きく、うん。と頷いた。
「ふーん。おもしれぇ。ま、嫌でも仲良くしなきゃなんねーみたいだし、諦めろ」
そう言い捨てると、家へと入ってしまった。
はぁ?
嫌でも仲良くしなきゃいけない。って何が?