【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「あっ。
男の子達が言ってたのって、そのことだったのかな?」
「えっ?
繭ちゃん、何て言われたの!?」
繭ちゃんが言ったことに驚いて聞き返した。
そのことって、なに?
「転入した日から話しかけてくる男の子達が……
仁奈ちゃんにとられちゃうよ。って言ってたんだ。
その時は意味がわからなかったんだけど。
今思えば、仁奈ちゃんの言ってる方の噂の事だったのかなぁ。って」
そんなこと言われてたの?
それに、そんな前から噂が?
京香に教えてもらった日からじゃなかったんだ。
いつから……そんな噂がまわってたんだろう。
それに、あたしのせいで繭ちゃんまで。
「ごめんね、繭ちゃん……」
何だか泣きそうになってくる。
噂を回した犯人も分からない。
どこまで回っているのかもわからない。
どうすればいいのかもわからない。
ただ黙ってるしか出来ないなんて。