【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「それと悪口って……、あたしが言ってる繭ちゃんの悪口ってどんなのか知ってる?」
「私も全部は知らないんだけど……。
私が男の子達の事を陰で悪く言ってる、とか。
転入してきた理由は前の学校で妊娠したからだ、とか」
は!?
なにそれ。
そんな嘘ばっかり……!
「そんなこと言ったことないよ!?」
「うん、信じてないよ」
そう笑ってくれた繭ちゃん。
別にあたしが悪いわけじゃない。
あたしだって被害者なんだと思う。
だけど、繭ちゃんは全く関係ないのに。
転入してきたばっかりで、こんな噂を回されて。
あたしと仲良くなったから、こんな風になちゃったのかな。
そう思ったら本当に哀しくて。
「繭ちゃん、ごめんね……」
喉の奥が熱くなって、瞳が潤むのがわかる。