【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「あ……」
やっと出た言葉は、声なのか息なのかハッキリしない。
「仁奈ちゃん?」
あ……。
繭ちゃんが何も言わないあたしを見て、不審に思ってる。
早く、早く言わなきゃ。
うん、もちろん応援するよ! って言わなきゃ。
「仁奈ちゃん、もしかして椎名君のこと好きなの?」
その言葉にドキッとした。
信じられないくらいに心臓がバクバクいい出して。
「えっ!?
ううん!
そ、そんなわけないよ!」
声が裏返ってしまったかもしれない。
「そっか、そうだよね!
なら協力してくれるよね?」
「う……うん」
そう頷いた後、胸の奥がまたズキンッて痛くなった。
やっぱり、あたし変だよ。
なんでこんなにショックうけてんの。