【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「繭ちゃん、その……後で話があるんだけど良いかな?」
「え?」
「もう授業始まっちゃうし」
「あ、いいけど。
で、お泊りの返事は?」
「あー……、それも後で」
「……わかった」
あたしはバカだから、ひとつひとつじゃなきゃ対処出来ない。
椎名冬夜の事は後で考える!
キスのこととか……色々ぜんぶ。
答えが出なかったら椎名冬夜に聞きに行く!
もう、それでいいや。
好きだって気付いた途端、あたしの胸の中にあった1番大きなモヤモヤが晴れた気がする。
もちろん、噂の事を気にならないって言ったら嘘になる。
けど、守ってくれる友達がいるもん。
好きになった相手は吸血鬼って大問題もある。
けど、好きになっちゃったんだもん。
あー、もう!
後で考えるって決めたのに、今考えちゃってるけどっ!
今は、まず繭ちゃんのこと。
それが先だよね。