【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「簡単に取引なんてしてんじゃねーよ」
って、待って?
何で、その話知ってるの?
もしかして……
「ちょ、あんた……
もっと前から居たの!?」
コイツ本気でバカなんじゃないの!
居たなら、もっと早く助けてくれたっていいじゃない!
「お前がハッキリ言ったら助けてやろうと思って待ってたんだよ」
「あんたねぇ……」
あたしが、どれだけ恐い思いしたかわかってんの?
その原因は椎名冬夜、あんたなんだよ!
それなのに!!!
「まぁ、それだけじゃねーけど」
「え?」
「繭、全部録音したから」
そう言って、取り出した携帯には繭ちゃんの声が録音されていて。
「お前、ちょっとヤリすぎ」
そう言うと、ガクッと膝をついた椎名冬夜。