【完】愛の血−超勝手な吸血鬼


「なぁ、サービス精神旺盛なのは嬉しいんだど。
それって襲って欲しいってこと?」

「へっ?」



そうマヌケな声を出したあと、椎名冬夜の視線で気付いた。

上半身がブラだけだったってことに。



「はぁっ!? やだっ!」



両手で胸を隠した時は、もう遅くて。


-ドサッ
と押し倒されたマットの上。


あたしの視界には体育館倉庫の天井と、椎名冬夜の綺麗過ぎる顔。



「ちょ、椎名冬夜!? なに考えてんよ!」

「だーかーら、冬夜。
いつまでフルネームなんだよ」



うっ。

確かに。

そう言われれば、そうなんだけど。


今更、ねぇ?



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