【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「なに変なこと考えてんだよ」
あたしの眉間に指を当てて
「目の前に俺が居るのに哀しそうな顔すんな」
って優しく笑って。
「俺はお前しかいらねーよ」
って、これは愛の告白だって受け取っていいのかな?
でも、あたしはわかんない。
ここまで言われたってわかんない。
だって、相手は吸血鬼だもん。
「それって……血って意味?」
「……全部って意味っつったらわかる?」
そう答えてくれた時には、もう唇は重なってて。
あたしに有無は問わせない。
なんて勝手な吸血鬼。