【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「俺は現代の吸血鬼って感じなんじゃね?」
パタン。と本を閉じた。
「現代の吸血鬼?」
「そ。血を吸う。そんだけ」
そんだけって。
それがおかしいんじゃないのか。
「日本人、アメリカ人、インド人。色んな人種がいるだろーが。
ハーフもいりゃあ、クォーターもいる。
だから吸血鬼がいたって、おかしくねーだろ」
……吸血鬼人。ってこと?
……間違いなく、おかしいと思うんすけど。
何のプラス思考なのか、サッパリわからない会話に頭が痛くなる。
「てか、血を吸うって……本当?」
見た目は人間と変わらないのに。
本当に血なんて吸うのかな。
あたしの言葉に妖艶な笑みを零し
「試してみる?」
とクィッと口角をあげた。
プルプルと首を横に振り、肩をすぼめる。