【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
顔をあげ、見つめた椎名冬夜はとても真剣な顔であたしを見つめている。
それって……どういう意味?
「ねぇ、それって…」
――ガラッ
「まだ残ってる奴いたのか。早く帰れよ、鍵閉めるぞー」
先生がドアを開き、あたし達にそう声をかけた。
さっき読んでいた本を持ち、本棚へと向かってしまった椎名冬夜。
「あ、はい。すみません」
あたしも慌てて帰る用意をする。
学校を出ると、少し暗くなっていた。
黙って先を歩く椎名冬夜にさっきの事を聞きたいけど、何故か聞けなかった。
さっきのは、一体どういう意味だったんだろう。