【完】愛の血−超勝手な吸血鬼

「血は相性みたいなもんだから諦めろ」

「なっ！　諦めろって意味がわかんないんですけどっ」



はぁーっと面倒臭そうな溜息をひとつ零すと



「昔は臭いで嗅ぎ分けてたみたいだけど、
そういう能力も薄れてきたらしいし。
今の時代は医療関係に吸血鬼がいるから、それで調べてるみたいだけど」

「……臭いで嗅ぎ分けるって、何それ」

「吸血鬼の特殊な能力のひとつだろ。
まぁ俺には、ないけどな」

「はぁ……」



もう呆れるしか出来ないわ。



「でも調べるってどうやって？」

「医療関係っつたら、血が集まるだろうが」



お前は馬鹿か。とで言いたげな顔に



「そんなの勝手に！？　それって犯罪じゃん！」



と叫んでしまった。