【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
あたしが相手!?
あー……、頭重い。
制服の袖に手を通しながら、頭を左右に振るとクラクラと眩暈がする。
あれから家に帰って椎名冬夜が言った事を何度も思い出しては考えた。
せっかく買った雑誌も読むのを忘れて。
いやいや、普通はそうでしょ。
だって急に 吸血鬼だ とか言われて。
血には相性があって、その相手は あたし だとか言われて。
その上、血を飲まなきゃ死ぬとか言い出して。
で……
『血飲ましてくれんの?』
って有り得ないっしょ。
おかし過ぎるでしょ!
てか、何であたしが相手なわけ?
あー……医療機関で血を調べたとか言ってたんだっけ?
なんか一気に色んなことを聞き過ぎて、よくわからなくなってきた。
って!!
何であたしが、あいつの事をわからなきゃダメなのよ。