【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「なに、俺が迎えに来たと思ったの?
どこまで自意識過剰だよっ」
クククッと笑う椎名冬夜に、あたしの怒りはMAXで。
ワナワナと手が震えてしまう。
歯を食いしばりながら、
「別にそんなこと思ってません!」
フンッと顔を背け、ドンドンと大きな音を立てて歩き出した。
何、あいつ!!!
まじでムカツクんですけど!!!
別にあいつが迎えに来ただなんて思ってないし。
ただ、いつも後ろから声をかけてくるから言っただけだし。
それなのに、それなのに。
何なの、あいつはー!!!
あー、ムカツク!!!
って、何であいつの事ばっかり考えてんのよ。
何であいつに振り回されなきゃダメなのよー!