蒼空~キミの名前を呼ぶ~
「行こう、美紗……。
歩ける…?」
あたしはコクンと頷いた。
自分の感情が……
――――…わからないよ。
もう、なんにも…考えられない…。
「…さ…美紗…!」
名前を呼ばれてハッとすると、学校からは出ていて見たことのない公園にいた。
「あ…、神崎くん。
ありがとう…、助けてくれて。」
「え? オレ、助けてなんかねぇよ?
オレが勝手にしたことだし…。
てか、逆にごめん。
急にあんなことしてさ…。」
「ううん…、ありがとう。」
にっこり笑顔で返した…つもりだった。
すると、神崎くんに抱き寄せられた。
「え…?」
「無理に笑うなよ…。泣いていいんだよ…?」
「別に、泣きたくなんか…」
「じゃあ、それは何…?」
「え…?」
頬を伝うもの…。
――――…涙。
「大丈夫だから……。」