蒼空~キミの名前を呼ぶ~
涙
そう、確かあの日は秋だった。
いつも通り、キミが迎えにくる。
ううん、その日は違った。
家のドアが開く。
「ミサ、きたよ…。」
今日はなんだかおかしい。
いつもはもっと、早くにくるし、
ドアからじゃなくて、
あたしの部屋の窓から迎えにくる…。
元気がない…。
あたしは、そう直感した。
「ソラ?きょうはどうかした?」
キミはビクッとしてから、顔をプルプルと左右にふった。
「そぉ?」
幼いあたしは、深く考えなかった。
それに、キミがあたしにウソをついたことは一度もなかったから。