蒼空~キミの名前を呼ぶ~
「ふぁ~…」
「うわぁー…、でっかいアクビ…!!
女子ともあろう者が…ありえへんで?」
「ひゃあっ!! 」
自転車に股がってあたしを冷やかな目で見ていたのは……
「まどかさん…、
今日も可愛いっすねぇ…。」
「それ、何キャラ?
てか、どうしたん? 目の下!!」
「え?」
「寝不足? クマできてんで」
「えぇ!?」
さ、最悪だぁ…。
もうさ…、
考えすぎて寝れませんでした、ってワザワザ教えてるようなもんじゃない…!!
あー、あたしのバカー!!
「え、そんな落ち込むようなこと、
うち言ったっけ?」
言ってませんよー。
むしろ教えてくれてありがとぉー。
「ようわからんけど、
とにかく早よ乗りぃや」
「はぁーい」
「じゃ、美紗の話聞いてる間に
遅刻寸前なんでー…」
へ…?
まだ、大丈夫でしょ?
ケータイを開くと……。
…うそぉ!?
もう、こんな時間!?
てことは……!!!!
「ちょ、まど……」
「しゅっぱぁーつッッ!!!!」
あたしが止める前に、超特急まどか号は発車してしまったのだった……。