蒼空~キミの名前を呼ぶ~
「斗真……」
斗真が走って来てくれた。
「大丈夫か? どうした?」
優しい声で、うずくまるあたしの顔を覗いてくるから、こんな時にキュンっとしてしまった。
「ううん、何でもないよ~…」
「何でもなくないだろ!
とにかく、保健室行こう?」
「ん…、ありがと…」
斗真が、うずくまったあたしをゆっくりと立たせてくれた。
「まどかちゃん、
オレ、美紗を保健室に連れていくから
ますちんにも言っといて!!」
「………」
「まどかちゃん…?」
「あ…う、うん。 わかった…」
「ありがと」
ゆっくりと保健室に向かって歩き出したあたしたちの後ろで……、
まどかが泣いてるなんて、考えもしなかった――…。