蒼空~キミの名前を呼ぶ~


「ねぇ、ソラ!!
あたし、海にいきたいよぉ!!」


「だめ!!
オレもいきたいけど、母さんたちに怒られたでしょ!!」





あたしたちはあの日、夕日にみとれてしまって家に帰ったのは、6時だった。


まだあたしたちはこのとき五歳だったわけで、門限は5時…。


キミと2人で、こっぴどく怒られたね。



それで、言われた

『あんたたち、海行くの禁止っ!!

もっと、大きくなってから行きな!!』




あたしは、大泣きした。

やだぁ、って。


じゃあ、

『あんたが悪いの!!』






でもね、お母さん


きっとお母さんも、あそこに行ったらすぐには帰って来れないよ?


6時に帰って来れたあたしたちって、結構すごいよ?





なんて、今さら届かない言い訳をしてみる。



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