蒼空~キミの名前を呼ぶ~


「うぅ~…、

じゃあ、どこいくのさっ!?!」


ぷぅっと頬を膨らましてすねるあたし。

キミは優しく対応する。



「じゃあ、だがし屋さんにいこう?

…ね?」


「お金ないじゃん!!」


すると、キミはポケットから200円出してニコッと笑って言う。


「お母さんがミサと2人でだがし屋さんに行けって!!」


あたしの表情はパアッと明るくなる。


「わぁー!!やったぁ!!

ゆうちゃんやさしいーっ!!」



『ゆうちゃん』

あたしは、キミのお母さんのことをそう呼んでたね。


「ゆうちゃん、なんでお金くれたのぉ?

うちのママは『子供に持たせる金はない!』って言うよぉ?」



あたしが何気なく聞く。


するとキミは無理に笑顔をつくって言った。



「なんでだろうね…。」



そんな無理した笑顔にも気づかず、あたしはただ、おこづかいをもらえたのが嬉しかった。




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