蒼空~キミの名前を呼ぶ~
「風邪…移っちゃうから……」
そんなの言い訳。
ズルいズルい、言い訳…。
「そっか…ごめん、な…」
そうやって笑わないでよ。
わかってるんでしょう?
そんなの言い訳だって……。
ねぇ、怒って…?
あたしを怒鳴って……。
なんで、こんな最低な女を好きになったのよ――?
あたしなんかの、どこがいいの…?
「じゃあ…、オレ帰るな…」
「…うん」
「お大事に」そう言って、帰っていく斗真の背中が頭から離れない。
「ごめん…ッ、ごめんね…斗真ぁ…」
斗真のこと、好きだよ…?
でも、恋愛の『好き』じゃないの……。
友だちなの…、
友だち以上には思えないの…。
『斗真のことを好きになりたい』
何度そう思っただろう……。
でも、斗真と一緒にいて生まれてくる感情は『罪悪感』ばかりで……。
そして、わかってしまった――。
きっと、“アイツ”以上に好きになれるヤツなんて世界中どこを探しても…
いない。
ケジメを…つけよう――。