蒼空~キミの名前を呼ぶ~
あたしの頬を涙が伝った。
「……ッ…ヒック…」
「ふふっ」
「…は?」
笑った…!? ひど…
すると、美紗は「ごめん、ごめん」と言って、言葉を続けた。
「いるじゃない!
あたしより断然、斗真に相応しい人!!
斗真を幸せにできる人…ッ!!」
――は?
「今、斗真のために…
斗真のことを想って…
あたしの目の前で泣きじゃくってる人っ!!」
「へ…?」
あたしが間抜けな声を出して、ポカンとすると美紗が笑った。
「まどか以上に斗真を想ってる人はいない。
まどかは自分の幸せより、
好きな人の…斗真の幸せを優先した。
それって中々できることじゃない。
そこまで、自分を想ってくれる人がいるなんてさ……
―――…斗真は幸せだねっ!!」