蒼空~キミの名前を呼ぶ~

最後にもう一度





――――バンッ



あたしが蒼空の机を叩く。





「なんだよ? うぜぇ…」




「は?
うぜぇ? あんたが無視するからでしょ!?

人が話しかけてんだから、
返事のひとつやふたつしなさいよ!!」




「だから、うぜぇって返事しただろ」




「な…っ!!
ふざけんなバカ蒼空!!」




「は? 万年最下位に言われたかねぇな」




「む…っ!!
うるさいな、このエセ王子!!」







この険悪な雰囲気…。
本当にどうにかならないだろうか…。




あたしは、蒼空に話したいことがあるから話し掛けたのに……蒼空のヤツ…!!




『ねぇ、話したいことあるんだけど…』


『………』



む…む、無視!?




でも、大事な話だし……。



『ねぇ、大事な話なのっ!!』


『……』



もう、ツーンッなんて効果音が聞こえてきそうなくらいに、完全に無視…!!


そして、あたしは……



『人が話し掛けてるでしょ!?
バカ蒼空!!

昔はあんなに可愛いかったのに!!

バカ!! アホ!! エセ王子!! 猫かぶりーッッ!!』



ブチギレ…しちゃいマシタ…ネ。




すると、エセ王子もプッチン…




『は? 昔とか関係ねぇだろ!?

だいたい、バカ、アホって…
その言葉、まんま返してやるよ!!』





やっと、話してくれたけど…

これじゃあ…ねぇ?





もう、クラスの名物みたいだ。

かれこれ1週間やってるから、この小学生並のケンカ…。





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