蒼空~キミの名前を呼ぶ~


「おばあちゃん、ばいばぁい!!」


顔をシワくちゃにして笑って、ただ手を振るおばあちゃん。


いつもなら、

『また、いらっしゃいね』

なのに。





あたしはそんなことを思いながら、駄菓子屋で買った大好物のキナコ棒を食べた。


「ミサ、歩きながら食べないの!!」

「やだ。食べるもん!!」

「ていうか、いっつもキナコ棒ばっかりだよね、ミサは。」

「だって、おいしいんだもん!!」


あたしは、ソラに注意されたにも関わらず口にキナコ棒をほおばった。


「もぉ~!!喉に詰まったらどうすんの!」

「ソラが助けてくれるからいーの!」


キミは、目を真ん丸にしてから哀しそうに言ったね。

「そだ、ね…。」






そんな、キミをみてあたしは直感的に思った。


『帰ったら、だめだ…。』


なんだかわからないけど、そう思った。



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