蒼空~キミの名前を呼ぶ~
「蒼空っ!!」
「………」
ムーカーツークー…っ!!
話聞くくらいいいじゃない!!
なんなのよぉーっ!!
――――パコンッ
あまりにもムカついたから、紙をぐしゃぐしゃに丸めて、蒼空の頭に投げてやった。
あたしって、やっぱりバカ。
そんなガキみたいなことしかできない。
「おい、美紗…てめ…」
「蒼空が無視するから、悪いんだもんねっ」
なんかさぁ…あたしって…、もっと可愛いこと言えないの?できないの?
『美紗』って、名前呼ばれる度にドキドキしてるクセに…。
「んな、ガキみたいなことしか…」
そんな不機嫌な蒼空の声に被さって、聞こえた甘ったるい声。
「高野くぅ~ん!!」
来たな!! 蒼空の取り巻き!!