蒼空~キミの名前を呼ぶ~
「どう…して…?」
どうして、ここに…連れてきたの?
「大事な話…なんだろ?
オレさ…、昔から勘だけは冴えてるよ?」
どうして、そんな悲しそうな顔をするの?
ねぇ、蒼空が全然わかんないよ――。
「言いたいこと…言えよ」
どうして悲しそうに笑うの?
ねぇ、蒼空――…。
「ほら、早く…」
急かさないで、お願い。
こんなのあたしが考えてた、話し方じゃない。
『蒼空…あのね』って、無理にでも笑顔をつくって話を切り出すはずだったの…
それで…それで…
「そ、ら…っ
最後に…、もう一度だけ…ッ告白させて…」
って、笑顔で言うはずだった…。
なのに…
あたし、今涙でぐちゃぐちゃだよ…?
全然、笑顔じゃない。