蒼空~キミの名前を呼ぶ~




――――――――――

――――…







「――…っく…うぅ…」






波の音だけが聞こえてたのにね…


今は、あたしのみっともない泣き声も波の音と一緒に響いてる。










泣き崩れるあたしから、ゆっくりと離れていった蒼空。






最後だって…キミはわかってたの?



あたしが何を言いたいか、なんて最初からわかってたの?



だから…最後にあの約束の場所に来たの…?



わかってたなら…どうして最初から、あたしの話を聞いてくれなかったの…?


あたしのことが嫌いなら…最初から聞いてたら、蒼空にとって良かったんじゃないの…?


どうして、悲しそうな顔だったの…?











頭の中には『どうして?』ばかり。






もうわかんない…。


蒼空が全然わからない…。









ただひとつ…わかることがある。






< 193 / 304 >

この作品をシェア

pagetop