蒼空~キミの名前を呼ぶ~
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――――…
「――…っく…うぅ…」
波の音だけが聞こえてたのにね…
今は、あたしのみっともない泣き声も波の音と一緒に響いてる。
泣き崩れるあたしから、ゆっくりと離れていった蒼空。
最後だって…キミはわかってたの?
あたしが何を言いたいか、なんて最初からわかってたの?
だから…最後にあの約束の場所に来たの…?
わかってたなら…どうして最初から、あたしの話を聞いてくれなかったの…?
あたしのことが嫌いなら…最初から聞いてたら、蒼空にとって良かったんじゃないの…?
どうして、悲しそうな顔だったの…?
頭の中には『どうして?』ばかり。
もうわかんない…。
蒼空が全然わからない…。
ただひとつ…わかることがある。