蒼空~キミの名前を呼ぶ~
それから、美紗とオレは午後の授業をサボることにした。
いや、半ば強制だったか…。
『ねぇ、どこに向かってるの?』
一生懸命オレの背中を追いかけながら、美紗は何度もオレに聞いてきた。
答えなかったけど。
目的地が決まっていない訳ではない。
むしろ、絶対に“あそこ”だと決めている。
きっと、これで最後だから。
だからせめて…
幼いあの日の約束を、いま果たそう――。
『絶対に…また、いっしょに来ようね』
『うん』
あの真っ赤な空の下で交わした
幼き頃の約束―――…。