蒼空~キミの名前を呼ぶ~
第1章
初恋
――――…
キミはあたしの初恋です。
一緒に時を刻んだあの頃のキミに、あたしはたくさん伝えたいことがある。
「ミサぁー!あーそーぼっ!!」
「ソラっ!!まっててぇーっ!!」
あたしたちは毎日、一緒に遊んでたね。
キミがあたしをお向かいの家から呼びに来ると、あたしは大急ぎで着替えた。
いつも、キミは『おそいーっ』なんて言ってさ。
でもね、
あの頃の幼いあたしだって好きな人に見られるんだからオシャレして頑張ってたんだよ。
それが、本当にオシャレだったかって聞かれれば、答えにくいけど。
あの頃は本当に楽しかったね。
キミがあたしの隣にいるのは当たり前で、
あたしがキミの隣にいるのが当たり前だった。